2011年12月05日

1-3 売れるマーケットで売れ、売れないマーケットで売るな

 アマゾンのキンドルで電子書籍が売れるのは、キンドルというプラットフォームが幅広く普及しているからです。Kindleという専用端末がたくさん売れているだけでなく、Kindle以外のスマートフォンやタブレットでキンドル用のビューワーソフトが用意されているからです。キンドルブックスを閲覧できる端末は、数千万数億のオーダーになっているはずです。

  電子書籍を売るのであれば、閲覧環境、つまりビューワーソフトのインストールベースが多ければ多いほどいいのは、誰の目にも明らかです。キンドルがこれほどまでに普及してなければ、アマンダ・ホッキングは専業作家にはなれなかったでしょう。

 電子書籍を売りたいのであれば、閲覧可能な端末がもっとも多いプラットフォームを選択する必要があります。閲覧できるデバイスやビューワーソフトが少ない場合は、著名ではない作家の電子書籍を売ることはまず不可能です。同じものを売っても人通りの多い繁華街に店を並べるのと、うらぶれた人気のない通りに店構えることを比較すれば、どちらの店が繁盛するのでしょうか。考えるまでもありません。

 自費出版で電子書籍を発行するのであれば、売れるマーケットで売るべきです。専用端末も汎用端末も含めてビューワーのインストールベースの少ないプラットフォームで販売しても、ほとんど売れません。アマンダ・ホッキングでも最初に配信した電子書籍プラットフォームでは一冊も売れなかったのです。もっとも売れているプラットフォームで売ることが至上命題です。そこで売れなければ、売り方をかえるか、中味を変えるしかありません。

 もし売れるマーケットで売れるようになれば、他のプラットフォームでも売ってみればいいのです。まず売れるマーケットで売れるものを見つけることが大事です。

電子書籍で自費出版する場合、もう一つ条件があります。参入障壁が高いか低いかということです。いくらプラットフォームが広く普及していても、そこで自由に参加して電子書籍を配信できなれば、どうしようもありません。申し込めば誰でも参加できるプラットフォームであることが必要です。

 日本でも多くの電子書籍プラットフォームが登場しましたが、既存の出版社系のプラットフォームの多くはいままでの既存の書籍を電子書籍化して配信するためのものであり、幅広く門戸を解放しているものはほとんどありません。つまり出版社のためのプラットフォームですから、自費出版したいユーザーにとってはまったく価値がありません。

 インストールベースが多くて参加しやすいプラットフォームはアメリカにはたくさんあります。キンドルが成功して、他社もそれに見習ったからです。もっとも普及しているのがキンドルですが、日本では同様のサービスを提供しているプラットフォームはありません。つまり電子書籍を自費出版できるプラットフォームはどこにもないのです。

 しかしただ一つ、インストールベースが多く参加しやすいプラットフォームがあります。それは

App Storeでのアプリでの配信

です。App Storeでアプリとして配信する場合、上記の条件に合致します。日本で電子書籍を売りたいのであれば、現在のところApp Storeで売るしかありません。

 


この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック