2012年02月02日

iBooks AuthorはInDesignとどう違うのか その2テキストスタイル

 iBooks Authorは電子書籍のオーサリングソフトではあるが、DTPソフトではない。PDF書き出しも可能なので印刷用にも使えなくはないが、その面ではあまり期待しない方がよい。テキストの扱いにおいてもInDesignに比べるとその機能は格段に違っている

  テキスト指定の肝は「スタイルシール」にある。スタイルシートはテキストに指定した書体やサイズ、行間や文字組み設定などを持たせたもの。InDesignには段落スタイルと文字スタイルがある。段落スタイルは段落単位で指定しすべての文字属性を含むものである。文字スタイルは指定した文字のみに特定の文字属性を適用する。

 iBooks Authorにもスタイルシートが用意されている。

段落スタイル
文字スタイル
リストスタイル


の3つである。InDesignにはリストスタイルはない。リストはInDesignの段落スタイルにある箇条書きのことで、InDesignは段落スタイルとしてリストを指定できる。InDesignはフォントやサイズや行間も合わせて段落スタイルとして箇条書きを指定するが、iBooks Authorではリスト部分だけを指定できる。フォントやサイズをそのままにしてリストが指定できるのだ。教科書のためのツールなので、リストだけのスタイルが用意されているのだろう。

 さてiBooks Author段落スタイルの厄介なところは、現在の設定内容を一覧できないことである。InDesignでは段落スタイルパネルを開けばすべての設定を確認し、変更することができる。しかしiBooks Authorではそういう一覧するパネルが用意されていないのである。そのため段落スタイルが編集しにくいのである。

 さらにテキスト属性を指定する部分が複数あることがややこしい。テキスト属性は

フォーマットバー
フォントメニュー
テキストインスペクタ


で指定するようになっている。テキストインスペクタはパネルが4つもあるので、それらを確認する必要がある。フォントファミリーやフォントサイズは、テキストインスペクタでは指定できないのである。せめてテキストインスペクタに集約して欲しいものである。次期バージョンでは一覧できるようにして欲しいものだ。

120202-01.gif
*テキストの指定はフォーマットバー、フォントメニュー、テキストインスペクタで行う。

 文字スタイルは属性のうち一部のものだけを変更するが、デフォルトで用意されている文字スタイルがどこまでスタイルとして登録されているかはわからない。適用しないとわからないのである。たとえば文字スタイルの最初に「アンダーライン」というスタイルがある。「アンダーライン」は本当にアンダーラインだけを指定するものなのかはわからない。

 しかもアンダーライン設定はフォーマットバーにもテキストインスペクタにもない。アンダーラインや取り消し線設定はフォーマットメニューのフォントメニューにあるのである。

 フォーマットメニューのフォントには[フォントパネルを表示]するメニューがある。ここを選択するとAppleのフォントパネルが表示する。しかしiBooks AuthorはiPadのみ使えるドキュメントを作成するので、ドキュメント内で使えるフォントはiPad内にインストールされているフォントのみである。iPad内にあるフォントを

iPadセーフフォント


という。日本語のiPadセーフフォントはヒラギノ明朝とヒラギノ角ゴの4書体しかない。

120202-02.gif

  ↓

120202-03.gif
*デフォルトの「Georgia」で日本語入力するとiBooks Authorでは明朝なのに、iPadにダウンロードするとゴシックになってしまう。

 ところが[フォントパネルを表示]してフォントを選択すると、iPadセーフフォント以外のフォントが選択できてしまう。システム内にあるフォントを選択すると、iPadセーフフォントでなくともフォントはそのまま表示されてしまう。アラートもないにもない。たいていの日本語フォントはiPadではヒラギノ角ゴに差し換わる。

 そのうちiPadセーフフォントでなくとも、フォントを埋め込んでiBooks Authorドキュメントを作成できるようになるかもしれないが、いまのところはドキュメントにフォントは埋め込めないようだ。埋め込めない間は指定したときか、もしくはドキュメント書き出し時にアラートを表示して欲しいものである。

 わかりきったことではあるが、iBooks Authorにはルビだけでなく組版の設定はない。和欧間のアキも指定できない。もちろん禁則処理も指定不可だ。そういう意味では日本語は入力できても、日本語に対応しているとは言えない。このあたりも含めて次期バージョンに期待したいものだ。


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タグ:iBooks Author
posted by @jink0222 at 11:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | iBooks Author | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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