2012年02月04日

iBooks Authorのcssで強制的にルビを打つことはできるか

 iBooks Authorは日本語入力には対応しているが、日本語レイアウトには対応していない。使用できるフォントにヒラギノが使われていて、文字コードがユニコードなので日本語の入力が可能だということに過ぎない。文字組版だけでなく、縦組みとルビには対応していないので、当分は限定した使い方にしかならない。

  将来的にiBooks Authorが日本語の組版にどの程度対応するのかはわからない。Mac OS Xがリリースされたときに「美しい日本語(だったっけ)」というようなキャンペーンをはったが、Mac OS Xの文字組版機能はほとんど使われることがなかった。Mac OS XアプリはOS内部の機能で高度な組版を実現できたが、DTPはAdobeの牙城であって、QuickDrawGXでのDTPソフトは普及しなかった。

 iPhoneやiPadにはAdobeのソフトはほとんど入り込むことができない。AppleがiBooks AuthorでInDesign並みの日本語組版を実現すれば、競争相手がいないため確実に一人勝ちになる。しかし競合がないと、そこにコストをかける必要性も見いだせないので、iBooks Authorの組版機能がこれからドンと進化するかは見えにくいところだろう。

 ADPSが競合相手になるかといえば、これはかなり難しい。AdobeがAppleのiOSの壁、とりわけコストの壁を打ち破るのは簡単ではなさそうだ。ほとんど太刀打ちできないのではないか。ADPSは用途を限定した法人向けとして棲み分けの道を進むことになるだろう。

 さてiBooks Authorから書き出した「.ibooks」ファイルはほとんどEPUBと同じ形式なので、中に含まれているファイルを編集すれば、加工が簡単にできる。実際にiBooksのEPUB2と同等の仕様に対応していれば、ルビは使えるはずである。EPUBのルビはEPUB2から規定されていたので、表示できるかどうかはビューワーの実装次第だった。最初の頃のiBooksはルビが正しく表示できなかったが、そののちiBooks 1でもちゃんと表示されるようになったのだ。

 EPUB 3のルビは<rb>タグを無視できるので

<ruby>適用<rt>てきよう</rt></ruby>

でルビは表示される。しかしこの方法で「.ibooks」ファイルを解凍して生成された「content1.xhtml」ファイルの本文中にルビタグを挿入したがiPadでは無視された。親文字の後ろにルビ文字がそのまま表示されるのだ。

 そこで<rb>タグを戻して

<ruby><rb>属性</rb><rt>ぞくせい</rt></ruby>

と入力した。結果は同じであった。EPUB2であろうとなかろうとルビタグは完全無視である。やはりiBooks Authorの機能は、EPUBの仕組みを活用しつつ、完全にApple独自の仕様になっているのである。

120204-04.gif

   ↓

120204-01.gif
*「.ibooks」を開いてルビタグをXHTMLに挿入する。チャプタの本文が2つ含まれていることがわかる。


 そこで、ルビダグにスタイルシートでインラインルビを指定してみることにした。インラインルビはCSS2の機能で使えるはずだ。スタイルシートは「assets」というフォルダに入っているが、「content1.xhtml」に対して3つのcssファイルが用意されているではないか。

content1.css
content1-paginated
content1-nonpaginated


どうやら本文用のスタイルシートと、横向きのときと縦向きのときのスタイルシートが別になっているような感じである。というのは、XHTMLには本文テキストが2つ入っているからである。<title>タグも複数ある。おそらく憶測するに最初のテキストは縦向きの「content1-nonpaginated」で、後ろにあるテキストは横向きの「content1-paginated」ではないか。

 というのは、ルビを挿入したのは最初の本文テキストだけであり、後ろの本文テキストには追加しなかった。縦向きではひらがなのルビ文字は表示されたが、横向きではルビ文字は表示されなかったからである。


120204-02.gif

*ルビ文字が挿入されたiPadの縦向き。カスタマイズしたせいか、レイアウトの指定が壊れている。塗りのカラーが失われ、テキストボックスに罫線が追加されてる。XHTMLファイルの変更は予想外の表示になることもあるようだ。

120204-03.gif
*ルビ文字が挿入されていないiPadの横向き。

 作成したiBooksではチャプタとセクションがそれぞれ1つずつあったので、「content.xhtml」はチャプタとセクションの数で作成されると考えられる。スタイルシートもXHTMLに対応して作成するのだろう。なぜ、XHTMLファイルごとに複数のスタイルシートを用意するのかは謎である。チャプタやセクションが違っても、スタイルシートは共用できると思うが、なにか理由があるのだろう。

 さて、「content1.css」を開いて、インラインテーブルのスタイルシートのプロパティを追加してみた。このスタイルシートのプロパティはCSS2なので、iBooksのEPUBではちゃんと機能する。しかし、iBooks Authorではまったく反応しない。iBooks AuthorはCSS2のプロパティでも読み込まないものがあるようだ。それとも、書き込み方を間違ったのだろうか。スタイルシートに追加してもしなくても、iPadでの表示結果は同じなのであった。

 iBooks Authorのルビ対応は、正式な日本語対応バージョンまで待つしかないらしい。いずれにしても、「.ibooks」ファイルを解凍しても編集できることはほとんどなさそうである。編集可能なものもあるが、XHTMLファイルで編集するくらいなら、iBooks Authorで編集して書き出した方が早そうである。


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タグ:iBooks Author
posted by @jink0222 at 10:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | iBooks Author | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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