2013年07月02日

PDFをepubの固定レイアウトにしてiBooksで開いてみる

 iBooksではPDFは表示できるが、iBookstoreでは使えない。iBooksのアプリ機能としてPDFは表示できるが、配信用のファイルフォーマットとしてはPDFは不可。iBookstoreを通じて配信したい場合は、レイアウトを崩したくないコンテンツであってもepubにしなければならない

 とはいえiBookstoreでもコミックなどリフローでは扱えないコンテンツが増えてきている。これらはどうしているかというと、epubの固定レイアウトを使っている。固定レイアウトを使えば、既存のPDFドキュメントはページ毎に画像化してepubにして作り替えることは思ったりより容易い。

  epubが縦組横組自由自在を捨てて、組み方向固定を選択したあと、epubの固定レイアウトなるものが登場した。「なんじゃい、そりゃ」とおおいに驚いた。epubはリフローこそが命ではないか。あえて固定レイアウトを採用する必要はないのでは、と思った。誰が使うのだろうかというのが偽らざる思いだった。

 epubでは各ページに画像を1枚割り当てて、そのままページめくりをすれば固定レイアウトになる。その場合は画像を貼り込むだけなので、Webブラウザでページを開いて画像を見ていくのとほとんど変わりない。固定レイアウトというのは、epubで画像を表示するときにきめ細かい指定を行うようにしたもの、といってもまあ言い過ぎでではないと思える。

 固定レイアウトは普及するのかと思ったら、iBookstoreがローンチすると普及してしまった。iBookstoreではリフローできない書籍コンテンツは、epubの固定レイアウトを使わざるを得ないからだ。何故、固定レイアウトが普及したのかというと、

AppleはiBookstoreでPDFを排除しepubのみ

としたためである。iBookstoreではepubしか使えない。選択肢はないのである。

 コミックなどの固定レイアウトを必要するものをiBookstoreで配信する場合、epubで作成するしかない。となると、epubの固定レイアウトを使うしかない。Kindleのmobiファイルもファイル構造はepubとほぼ同等なので、テキスト主体のものはリフローにしても、コミック系のすべてのページは画像してしまっても流用は容易い。KindleもPDFは使えるが、KDPでは排除されているので、PDFは自炊フォーマットとして生き残るしかなさそうである。

 iBookstoreでPDFを扱えないようにしたのは、AppleがAdobeのフォーマットであるPDFを嫌ったからではないか。Mac OS Xの基本アプリ「プレビュー」の以前のバージョンでは、PDFにURLリンクを後付けできたが、途中でできなくなった。たしか10.7.4のアップデートでできなくなった(10.7.3までは使えたと記憶している)ので、どこかから抗議があったに違いない。PDFは公開されたフォーマットだが、付随する機能はどこかがライセンスを握っている可能性がある。PDFのURLリンク機能もフリーウェアのPDF編集ツールに実装されていることは見たことがないので、Appleからとするとオープンなフォーマットとはいい難いに違いない。

 電子書籍Viewerの機能を追加していくとき、PDFでは業界のコンセンサスがとりにくい。PDFだとイニシアティブをAdobeが牛耳ることになり、おそらくIDPFは主導権を握れない。そうなると完全なるオープンフォーマットが必要だ。デファクトのPDFではなく、デジュールのepubでなければならないというが、おそらくIDPFサイドの思惑ではないか。epubであれば、プログラム的な処理の追加しても法的な問題はまずないので、追加機能の実装はそれほど難しくないだろう。


 もしコミックをepub固定レイアウトにできるのであれば、既存のPDFはすべてepubの固定レイアウトにできるはずだ。テキスト主体のものはリフローの方がメリットがあるにしても、図版が多いコンテンツは紙のレイアウトを保持したままPDFにした方が読みやすいこともある。PDFにしなくてもいいが、レイアウトされたものをページ毎に画像化して使えばよい。

 いつくかコミックのiBookstoreコンテンツをダウンロードして動作を調べてみた。といっても中身を開いても暗号化されているので、コードを読むことはできない。XHTMLファイルは最後の</html>の閉じタグだけが文字化けせずに表示されたが、当然のことながらあとはまったくもって文字化けの嵐であった。

 まずは普通にSigilで単ページに画像を一枚ずつ貼り込んでみた。サンプルはフリーで公開されている「ブラックジャックによろしく1」のPDFをダウンロードして使ってみた。同じiBookstoreの無料コンテンツをダウンロードして表示を比べてみたら、まったく話にならなかった。ページの表示方法やめくりの方法からして違うのである。そのままのepubではなく、固定レイアウトで指定していることは確か。

 iBooksのコミックコンテンツは、ページをめくると、見開きで表示されて、まず右側のページが表示される。右にフリックすると左ページが表示される。さらにフリックもしくはタップすると、次のページがカールもしくはスライドアクションで表示され、同じように見開きで右半分が画面に表示される。本を読むような動作が反映されている。

 そこで固定レイアウトのサンプルファイルをダウンロードしてきて、中身を開いて調べ、画像ファイルを入れ替えて作り直してみた。単ページのxhtmlを作成し、画像をimageタグで指定して画像のサイズをcssとxhtmlで指定するだけである。そうすると、iTunes経由でiPhoneのiBooksにインストールして開くことができた。もちろん無料で用意されている「ブラックジャックによろしく」とほぼ同等の仕様で開くことができた。

 100ページほどのテンプレートを作成してみた。使い方は簡単で画像ファイルを差し替えるだけである。基本的な手順は

PDFを単ページで画像に書き出し
Sigilで画像ファイルを差し替え
目次やメタデータを入力する


だけである。あとはiTunesに同期してiBooksにインストールするだけ。ただしSigilで編集するのでiBookstoreには申請できない。iBookstoreへの申請は作成したepubをepubcheckに適用する必要があり、Sigilで作成したepubはエラーで出まくりとなる。最終的には、epubの中身を開いてコードを修正する必要がありそうだ。

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posted by @jink0222 at 21:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | iBooksのepub固定レイアウト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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