Sigilではepub2にしかならないので、epub3でエラーができないようにするには、epubを解凍しなければならない。それぞれのファイルを書き直して、もう一度epubで固めてからepubcheckすることになる。けっこう面倒くさい。content.opfはエラーの巣窟だった。
それでも変更する部分が分かれば、その部分のテキストをまるごと書き換えてしまえばよいので、epub2をepub3に変更するのは簡単だろう。固定レイアウトはcssも不要で画像化したページを表示するだけなので、content.opfにしても修正箇所はそれほど多くはない。
iBooksで固定レイアウトのテンプレートがどのようなケースで使えるかというと、コミックを中心に固定レイアウトが必要な自炊もしくは自作電子書籍ではないかと思う。iPhoneやiPadで電子書籍を閲覧する場合、PDFでもかまわないが、iBooksのPDF閲覧機能はとても使いやすいとはいえない。とくに見開き表示できないのはコミックではつらい。

*Sigilで作成したepub2をiPhoneのiBooksで開いたところ。左ページの一部が表示されるので、見開きであることがわかる。
ところがepubの固定レイアウトでは縦置きにしても、見開きに配慮した表示となっており、コミックはiPhoneでは画面サイズが小さいことを除けば読みやすい。iPadで横置きにすればちょうど見開きサイズになり読みやすくなる。自炊本も含めてiBooksに集約したい場合は、固定レイアウトのテンプレートは便利ではないかと思うのだ。
そこで一般的なコミックをそのままiBooksの固定レイアウトにできるように、サンプルのテンプレートを作り直した。前回はPDFから作成するということで100ページ分のサンプルを提供したが、それでは実用的ではないと思い、ここはドドーンと
210ページ
のサンプルを用意した。210ページにしたのは単純にサンプルで使用した「ブラックジャックによろしく1」が210ページだったからだ。サンプルの書籍が完全にepub固定レイアウトにしなければ価値は小さいとだろう。通常のコミックはたいていは210ページ以内に収まるだろう。
とりあえずSigilで行う編集部分
・画像ファイルの差し替え
・XHTMLの画像ピクセルの変更
・不要なXHTMLファイルの削除
・目次の編集
・メタエディターの編集
をマニュアル化したPDFを210ページのテンプレートを
iBooksのepub3固定レイアウトをSigilから作成する方法〜epub2縦組自炊版
として無料ダウンロードできるようにした。これでiBooks 3.0以降があればepub2であっても固定レイアウトとして表示できる。もちろんコミックだけでなく、一般書籍の自炊本も固定レイアウトにすることは可能だ。「PDFをそのままiBooks epubに変換する方法」をお申し込みいただいた方は、前回のダウンロードページからそのまま210ページ版をダウンロードいただける。
なおマニュアルの一部はDTP-Sにもアップしてある。
◆iBooksのepub3固定レイアウトをSigilから作成する方法[DTP-S]
http://www.incunabula.co.jp/dtp-s/epubFIX/index.html
◆PDFをそのままiBooks epubに変換する方法[YouTube]
◆PDFをそのままiBooks epubに変換する方法の無料ダウンロードはこちら
http://bit.ly/14nS39C
*epub2です。iTunesを経由してiBooksにインストールできます。iBookstoreへの申請はできません。
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