2013年08月30日

epub2固定レイアウトをepub3に作成し直すコツ

 『iBooks の epub3 固定レイアウトを Sigil から作成する方法』が完成した。epubの基本的なファイル構成はSigilで作業し、epub 3するのはテキストエディターで行う。epub 3作成ソフトではなくテンプレートである。epub 3といっても中身はHTMLなので専用の作成ソフトが必要かどうかは難しいかもしれない。作成のしきい値が低いので、専用作成ソフトは売れそうもない。

 epub_FIXED_titel.gif


 ただそうはいってもepub 3の作成ノウハウを身につけたいと思っている人もいるだろう。epubといってもJavaScriptを駆使し、HTML5をバリバリに使うのであれば、専門家に任せるしかないが、固定レイアウトでepubの電子書籍を作成するのであれば、専門的な知識もノウハウも不要だ。

 一般的によく使われているepub作成ソフトはSigilだが、Sigilはepub 3には対応していない。一番分かりやすいのはXHTMLファイルの冒頭の記述でepub 3にしようとして

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE html>
<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xmlns:epub="http://www.idpf.org/2011/epub" lang="ja" xml:lang="ja">


と書き換えても保存すると

<?xml version="1.0" encoding="utf-8" standalone="no"?>
<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.1//EN"
  "http://www.w3.org/TR/xhtml11/DTD/xhtml11.dtd">


<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xmlns:epub="http://www.idpf.org/2007/ops">


というepub2の記述に戻ってしまう。オーマイゴットと叫ぶしかない。こうなるとepubの中身を直接触って編集するしかない。中身を編集できるソフトがあれば、それとSigilを組み合わせはよい、と思うが見つけられなかった。

 ただそうはいってもXHTMLファイルの変換は一つ一つするのは面倒だろう。固定レイアウトではXHTMLファイルはページの数だけあるので、手動でするわけにはいかない。こういうときはテキストエディターのマルチファイル置換という機能を使うしかない。Windowsではそれぼと珍しい機能ではないが、Macintoshではあまり見当たらない。Jeditには標準で装備されているがシェアウエアなので、購入していただくしかない。

 と思っていたが検索して調べてみると、「Macでマルチファイル検索&置換はTextWranglerがすごい」というページにマルチファイル検索が紹介されていた(前回も紹介したけど)。TextWranglerでマルチファイル置換ができるらしい。TextWranglerはMac App Storeからフリーでダウンロードできる。TextWranglerですべてのXHTMLファイルにある冒頭部分を選択すると、そのまま置換された。これで手間のかかる部分は簡単に処理できた。

epub3_FIX_titel100.png 編集個所でややこしいのはcontent.opf内の書き換えだが゜実はそれほどではない。package要素とmetadata要素は丸ごと差し替えればよい。metadata要素には書籍タイルと著者名を入力するが、必要不可欠なものは限られている。これもepub 3用のmetadata要素のテキストを用意しておき、そのまま差し替えるだけである。

 manifest要素はそれほど変更はほとんど必要ではなく、追加するのはnav.xhtml情報くらいである。ページジャンプ(クリッカブルマップ)を追加するときはsvgの属性を追加することになるが、それ以外はSigilで作成したものだけでよい。なお、nav.xhtmlを追加したのでtoc.ncxのリストは削除する。

 spine要素で重要な部分は右綴じの指定を行うくらいで、この属性はSigilで入力しておいても保存時にクリーン化されて失われることはない。左綴じになるときに削除すればよい。縦組右綴じでは

<spine page-progression-direction="rtl">

にするだけである。なお、spineでもtoc.ncxは削除する。

 実際どの部分をどのように追加するのかは、変更した後epubにしてepubcheckで検証して一つ一つ潰していったのが『iBooks の epub3 固定レイアウトを Sigil から作成する方法』である。テンプレートでは500ページ分を用意したので、コミックでなくても一般的な書籍でも十分使えるだろう。足りなければXHTMLを増やせばいいだけである。



◆iBooksのepub3固定レイアウトをSigilから作成する方法
http://bit.ly/1dwqQcl

◆iBooksのepub3固定レイアウトをSigilから作成する方法:Lite版
http://bit.ly/189u8Ln

◆iBooksのepub3固定レイアウトをSigilから作成する方法[DTP-S]
http://www.incunabula.co.jp/dtp-s/epubFIX/index.html

◆PDFをそのままiBooks epubに変換する方法[YouTube]


◆PDFをそのままiBooks epubに変換する方法の無料ダウンロードはこちら
http://bit.ly/14nS39C
*epub2です。iTunesを経由してiBooksにインストールできます。iBookstoreへの申請はできません。


 


posted by @jink0222 at 15:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | iBooksのepub固定レイアウト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。