iBookstoreに登録するにはEIN(雇用主番号)が必要である。アメリカでの税金を免除して貰うためにはSS-4の用紙に必要事項を記入してアメリカ合衆国内国歳入庁にFAXする。いまでは具体的な方法はググれば簡単に分かるので難しくもないし、費用もかからない。かつてはEIN取得代行を依頼すると数万円かかった時代もあったが、いまでは用紙をダウンロードしてプリントしFAXすればいい。あとは返信をひたすら待つだけ。
EINを取得する場合、FAXしてから四日くらいで返信があるといわれている。ところがFAXを送って二週間経ってもまったく返事がない。ネットでは一ヶ月以上かかったという話もあったので、遅いときもあるのだろうと思ったが、もう一度FAXを送ってみた。申請がダブルとややこしいだろうなと思いつつも、そんなに長くは待てない。二回目は四日でEIN番号が記載されてFAXか返信されてきた。
それでやっとiBookstoreに登録することができた。送られてくるEINにはハイフンが含まれているが、iBookstoreの登録ではハイフンは取り除いて入力する。登録がタダで後はiBookstore用のiTunes Connectの設定ができるまで待つしかない。iTunes Store から「Welcome to the iTunes Store」というメールが来たのは二日後だった。SS-4の用紙をFAXしてから三週間も立っているではないか。本当なら一週間程度だったのに、残念。
早速、固定レイアウトのepubを申請。iTunes Producerからアップロードする。アプリでは最初にアプリの設定をiTunes Connectで行うが、iBookstoreではアプリの概要や表紙画像はiTunes Producerで指定するので、iTunes ConnectのManege Your Booksを開くのはiTunes Producerでアップロードしてからになる。アップロードするとStatusが赤いボタンで表示されるが、これは「In Review」のこと。アプリでは赤いボタンはリジェクトを意味するので赤いボタンは気味が悪い。「In Review」であれば、できればオレンジ色にして欲しいものだ。

*iTunes ConnectのManege Your Booksに表示されたepub固定レイアウトのブック。JIPPO Booksでは審査に通っているが、iBookstoreではどうなることやら。
最初にアップロードしたとき、エラーが表示された。これはまずいと思ったが、単に入力不備があっただけだった。それらを修正してデリバリーするとまたエラーが表示される。
Your book could not be delivered. The following images are larger than 3,200,000 pixels and must be resized:
というアラートで、画像が10個リストされた。画像はもっとたくさんあるが、11個以上はリストしても意味がないと判断しているようだ。画像の解像度が大きすぎるらしい。確かに画像のピクセルは200万ピクセルまでと制限されていると、アセットガイドに書かれている。
固定レイアウトはページがすべて画像なので、すべての画像がピクセルオーバーらしい。画像のサイズはiPadのRetinaに合わせて左右目一杯にしていた。オリジナルはA5サイズなので天地を成り行きにすると
1536 pixel × 2180 pixel
とした。確かに計算すると約334万ピクセルになっていた。ということは固定レイアウトで貼り込む画像はRetinaの解像度に合わせると制限を超えてしまうことになる。「1536 pixel × 2180 pixel」であってもぺーじめくり動作に支障があるとは思えない。少なくともiPhone 5で試した限りは問題はなかった。
仕方が無いので「1180 pixel × 1675 pixel」にダウンサンプルした。これで200万ピクセル以内に収まる。すべての画像をPhotoshopでダウンサンプルして差し替え、XHTMLファイルのviewpointの数値をマルチファイル置換する。あとはepubに固めてepubcheck、iTunes Producerでもう一度アップした。今度はスルスルとアップロードが完了した。
あとはどうやって目立つかということになるが、これは難しい。iBookstoreではサンプル版を無料でダウンロードすることができるが、この場合、別途サンプル版のepubファイルを作成しておく必要がある。iTunes Producerでアップロードするときにサンプル版も合わせてアップロードする必要があるからだ。今回は間に合わないので見送った。
もう一つはサンプル版をSakuttoBookで配信する方法である。SakuttoBookではアプリを申請して通してしまえば、無料コンテンツはAppleの審査なしでアプリ内にラインナッブできる。無料コンテンツが審査されるのは最初にアプリを申請するときだけなので、アプリがApp Storeに並んでしまうとあとはいくらでも簡単にサーパからダウンロードできる。
SakuttoBookではサーバコンテンツは「productIdList.csv」で指定する。「productIdList.csv」はアプリ内のものを使う方法と、サーバコンテンツをすべてサーバ本棚で表示する方法がある。サーバコンテンツをそのままリストする場合は、サーバにコンテンツをアップロードするだけでよく、アプリ内のものを使う場合は、最初から無料のコンテンツ番号を指定しておけばよい。つまりアプリであれば、自由に無料コンテンツは配信できるのである。あとは無料コンテンツ用のViewerアプリのダウンロード数を増やしていくことを目指すわけである。
アプリで無料ダウンロードしてiBookstoreに誘導できるのかどうかはこれからの課題だが、サンプル版以外の無料コンテンツを用意していれば、アプリのダウンロード数は増やしていけるのではないだろうか。と思ったりする。App Storeのブックアプリ自体はもう死んでいるといわれても仕方がないが、ボータルアプリはこれからビジネスでは不可欠になるのではないだろうか。来年には日本でiPhoneだけで販売数2000万台というオーダーも現実味を帯びてきた以上、App StoreアプリはTwitterやFacebookと同じようにマーケティングツールになると思うからである。
◆iBooksのepub3固定レイアウトをSigilから作成する方法
http://bit.ly/1dwqQcl
◆iBooksのepub3固定レイアウトをSigilから作成する方法:Lite版
http://bit.ly/189u8Ln
◆iBooksのepub3固定レイアウトをSigilから作成する方法[DTP-S]
http://www.incunabula.co.jp/dtp-s/epubFIX/index.html
◆PDFをそのままiBooks epubに変換する方法[YouTube]
◆PDFをそのままiBooks epubに変換する方法の無料ダウンロードはこちら
http://bit.ly/14nS39C
*epub2です。iTunesを経由してiBooksにインストールできます。iBookstoreへの申請はできません。
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