2013年10月31日

五万字で作成するApp Store Viewerアプリの作り方

 App Storeでの申請は日本版iBookstoreがローンチした頃はいろいろと厳しかったが、最近の審査はそれほど厳しくはないと思われる。最初に「十方ブックス」を申請したときは二回リジェクトを食らって、三度目に通った。それを考えれば現在は審査に通りやすくなった感がある。ローンチ当初は審査基準にブレがあって、緩い場合と厳しい場合があったが、審査基準が平たくなったようだ。つまり合格ラインがよく見えるようなったのである。

  審査をパスするためにはViewerアプリもしくはストアアプリにする必要がある。それではどの程度のコンテンツを用意しなければならないのか、ということがもっとも知りたいところ。程度というのは

Viewerのコンテンツの数
コンテンツのオリジナル性
全体の文字数


というあたり。最低限この程度の数と質であればリジェクトされることはないという程度が分かればよいことになる。

 Viewerのコンテンツ数は5つくらいは欲しい。4つでも審査に通ることはあるが、数は多ければ多いほどリジェクトされる可能性は小さくなる。Viewerアプリもしくはストアアプリとして申請する場合、そこそこの品揃えをしておかないとViewerアプリとして認めてもらえないのである。

 コンテンツのオリジナル性はほとんど関係がない、と思われる。いままでサーバコンテンツは「青空文庫から」と伝えてきたが、実際に青空文庫のコンテンツをサーバコンテンツとして並べてもそれが理由で審査に落ちたことはない。つまり内容がアダルトだとかバイオレンスだとかでAppleのポリシー審査で行き過ぎていなければ、中身はほとんど関係がない。青空文庫にはたいていルビがうたれているが、削除してもいいし、そのまま《》付きののままレイアウトしても問題はない

 それでは文字数はどうなのだろうか。それについて制限があるかどうかはよく分からない。おそらく明文化されてはいないだろう。単体アプリのときは最初の頃、iPhoneサイズのレイアウトで50ページ程度でも審査に通っていた。50ページというのは文字数で一万字程度である。そのうち文字数が厳しくなって、ページ数文字数が少ないと10.6でリジェクトされるようになっていった。

 Viewerアプリの場合は、ダウンロードするコンテンツの文字数に制限があるとは思えない。以前組み込み型でアプリ内課金を使ったときは、文字数が少なくてもほとんど問題はなかった。iPhoneサイズで20ページ程度のものであった。ダウンロードコンテンツの場合は、必ずしもページ数は必要ない。もっとも1ページでもサーバコンテンツとしてカウントされるかどうかは分からない。夢枕獏氏のタイポグラフィック『カエルの死』であればカウントしてくれるかも。

 『進撃の巨人、ミスリードの謎』のメインコンテンツは文字数は二万字強。レイアウトしてiPhoneサイズで147ページで作成した。それとは別にアプリ内課金コンテンツとして4つ作成した。こちらは四千〜五千字程度で番外編として書いた。これでメインコンテンツとサブコンテンツ合わせて5つになる。

131031-01.jpg
*サーバに用意した五つのSakuttoBookコンテンツ。あとから番外編をもう一つ追加した。

 まずテキストを書き上げ、レイアウトは後回しにした。先に申請するためである。新規アプリの場合は、審査に入るまでに一週間程度はかかる。それでまずアプリの登録だけする。審査が始まらないとサーバコンテンツは見に来ないので、先に申請をしてしまうのである。

 審査が始まるまでにレイアウトを行いPDFを書き出しSakuttoBookでコンテンツを作成して、サーバに順次アップした。この作業に二〜三日かかったが、まだIn Reviewにはなっていなかった。すこし綱渡り的な気もするが、審査までの時間を縮めるにはこれしかない。サーバダウンロード型なので、コンテンツは後回しでもいいのである。

 時間がまだあったので、サブコンテンツの番外編をもう一つ書いてIn-App Purchasesで追加した。最初の申請はVeiw Detailsで行うが、アプリをアップデートした後はManage In-App Purchasesでも追加できた。先行した四つのアプリ内課金コンテンツはすでにIn Reviewになっていたが、アプリの審査が通ったときは、すべてサーバからダウンロードできるようになっていた。

 番外編として書いたものは、実はメインコンテンツ内に含めることができるものだが、敢えて番外編として別コンテンツにしただけである。サブコテンンツそれぞれは12枚程度で、メインコンテンツを合わせると文字数は五万字程度であった。それでも一発で審査に通った。

 つまりいままで単体アプリとして申請していたブックは、例えば章立てを十章くらいにして、その中の五つの章をサブコンテンツにする。そうすると、Viewerアプリとしての体裁をとることが可能だろう。そんなことをしなくても青空文庫で代用してもかまわない。青空文庫を使いたくない場合は、コンテンツを分割すればよい。サーバコンテンツを含めて電子書籍というわけである。

 アプリを有料で販売するときは、サブコンテンツも無料でもいいと思うが、経験的にはアプリ内課金しておく方が通りやすい印象はある。たとえば、一つだけアプリ内課金しておくだけでもいいと思われるが、このあたりは試してみないと分からないし、審査担当者によって対応が異なる可能性はある。

 電子書籍をApp Storeに申請する場合、内容を分割して申請すればViewerアプリとして申請することが可能だ。現在ブックカテゴリーでは新作が少なく、内容がよければトップを狙うことは難しくない。すでにSakuttoBookアプリでこの夏以降、いくつものの新作Viewerアプリをトップ10にラインナップしていて、トップを制したものもある。競争相手が少なくなったいまこそ、ブックカテゴリーはチャンスなのである。


◆進撃の巨人、ミスリードの謎
http://bit.ly/1ciakMP

◆SakuttoBook(サクッとブック)でiPhoneアプリを作る方法
http://www.incunabula.co.jp/book/Sakutto/index.html

 


posted by @jink0222 at 11:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | SakuttoBookのリベンジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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