電子書籍エバンジェリストとして有名なSeth Godinという人が、中抜きする個人作家モデル像を提案しています。それによると、電子書籍作家が「1人出版社」として成功するには3つのスキルが必要だそうです。その3つとは
パーミッション・マーケティング
スターフィッシュ化
クラウド・ファンディングという点だそうです。なかなか聞き慣れない言葉が並んでいますね。
最初の「パーミッション・マーケティング」はWebで見込み客を集めるスキルで、出版社に頼らない以上、自ら集客する必要があります。ここでいう「パーミッション」とはオプトインという意味でしょうか。
つぎの「スターフィッシュ化」は自分だけの商品世界を作ることだそうで、Webで集客して電子書籍を買ってもらった後、固定客にすることでしょうか。しかしスターフィッシュとはヒトデのことであり、少し意味不明。「ロングテール理論に惑わされず」とあるので、とりあえず数を出して細かく稼ぐことを否定しているのでしょう。
最後の「クラウド・ファンディング」がもっともわかりにくく、「Kickstarter.comなどを使った制作資金の調達」という説明がありますが、それだけではほとんど意味することはわかりません。Kickstarter.comは簡単にいうと、どうやら出資した分を製品で提供し資金を集める方式のようです。
この寄付でもなく購入でもない方式をとるのは、それだけ固定ファンを集めないといけません。自分だけの商品世界を作って少なくとも数百人のロイヤリティの高い読者が必要ではないでしょうか。本を買ってもらうのではなく、読者との間に強い絆をつくっていく必要がありそうです。
ですから順番としてはまず「パーミッション・マーケティング」で集客し、独自コンテンツで世界観を構築していくということでしょう。そしてある程度軌道に乗ってロイユリティの高い読者が集まったら、「クラウド・ファンディング」でコンテンツ販売以外の集客方法も考えるということでしょう。Kickstarter.com以外でも、ネットで資金を調達する方法はこれからいろいろと登場しそうです。
才能のある個人が世の中で認められるための手段としては、電子書籍はかなりエキサイティングなツールになりそうです。しかし独自の世界観を表現できず、ブログやTwitter、YouTubeなどを使いこなせない場合は、「1人出版社」の道は少し遠いかもしれません。
◆電子書籍時代の作家にとってもっとも重要なスキルとは? 人気作家Seth Godin氏が自身のブログで説く[hon.jp]
http://hon.jp/news/1.0/0/2932/◆購入と寄付の境界線 〜 Kickstarterに垣間見る境界線のゆらぎ[ベンチャーナゥ]
http://www.venturenow.jp/column/ogawa/20100907008722.html
posted by @jink0222 at 20:20
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